読売の特集記事 ネットと匿名社会（上） の記事の疑問
読売の特集記事 ネットと匿名社会（上） の記事の疑問
見出し 実名制で中傷防げ 普及率61％の韓国
2005/12/28水 読売新聞朝刊社会面30p右上
特集記事のため読売オンライン上に記事が無いので、批評のため冒頭一部引用。
インターネット上で、匿名の書き込みによる人権侵害が後を絶たない。特定の人物、企業に繰り返される中傷。少年事件の容疑者の実名や顔写真が掲載され、被害者のプライバシーまで暴かれる。広がり続けるネット社会で、深刻さを増す「匿名の弊害」にどう対応するの か。IT化の進む韓国で始まった新たな取り組みと、日本の現状を追った。
今年6月、韓国で新制度導入のきっかけの一つ”事件”がおきた。
ソウル市の地下鉄車内で、若い女性が愛犬のフンをそのままにして下車し、周囲の人たちが困惑顔で片付ける――。その一部始終を収めた動画が発信者不明でネット上に公開されると、女性の名前、通学する学校名まで明らかにされ、中傷する発言が掲示板やブログにあふれた。
こうした匿名の書き込みに一定の歯止めをかけるため、韓国政府は10月31日、インターネットサイトの会員登録時に実名確認を義務付けると発表した。
突っ込みどころの多すぎる記事だ。一個ずつ。
前半の話の流れでまさか犬糞女が出てくるとは思わなかった。
犬糞女について知らないかたは下記を参照
http://www.yonhapnews.co.kr/news/20050606/030000000020050606222436K5.html
この文章は、犬糞女の人権を守りましょうってになる。おかしな話だよね。今後自分が電車の中で犬にウンコをさせてそのまま下車した場合、ネット上で叩かれるのがいやだから実名制を導入しようと韓国政府の偉い人たちは考えています、という意味になってしまう。
でもって、もうひとつ、下記ニュースを見てもらいたい。
下の方に、
以前インターネットで論争を巻き起こしたいわゆる「犬糞女」（今年6月、ソウルの地下鉄で愛犬の排泄物を放置しネット上で飼い主女性の顔が公開された事件・関連記事参考）も今後は処罰を受けるようになる。
つまり犬糞女は、数ヶ月後だったら処罰を受ける犯罪行為をしたのだ。そしてその様子を収めた動画はその決定的な証拠だ。警視庁24時で顔モザ入りで流される種類の映像だ。
このケースを実名制導入を語る上で挙げる一例にしてはいけないと思う。犯罪者の人権を守る話と、悪いことをしていないのにいわれの無い中傷を受けた人の人権を守る話は別物だ。
それと気になるのが、発信者不明の動画をネット上に公開した人がいるとのことだが、これが海外となれば、発信者特定が難しいだろうが、日本国内ならやって出来ないことはない気もする。それに海外のサーバに動画がアップされたのなら実名制度も意味が無い。
個々の中傷書き込みに関してだが、韓国内の掲示板やブログ上の中傷なら現時点でもIPで個人特定可能だと思うのだが。中傷を受けた本人が裁判を起こすなりすれば、掲示板管理者、接続業者のちょっとした作業で特定できる。日本国内の鯖ならたいてい可能だ。だからネット上の掲示板で犯行予告したバカが軒並み逮捕されている。韓国内でそれが不可能なら韓国の取り組みは日本以下だ。
個人の社会的地位を失墜させることなんて匿名の複数の個人よりもはるかに大量に大掛かりにやっていらっしゃる方々がいる。それはマスコミ。マスコミの強権によって名誉を傷つけられた人のほうがはるかに多い。マスコミさんはそれを自浄努力によってのみ防ごうとする。「匿名の弊害」と「マスコミの弊害」を比べた場合、大きいのはどちらでしょうか。僕は匿名の複数個人よりマスコミの方が怖い。だから一マスコミである読売新聞に「いわれの無い中傷」について語ってもらいたくない。中傷を無くすならマスコミを潰せば大部分が防げるのだから。
タイムリーな事件が
毎日新聞紙上に殺人事件の容疑者と間違われて写真を掲載されたとして、宮崎市の３０代の女性が２８日、毎日新聞社を相手に５５０万円の損害賠償などを求める訴訟を宮崎地裁に起こした。誤報により、女性は仕事を辞めざるを得なくなったという。
最後に、韓国はIT化は進んでるだろうが、民度が低いのだから参考にならない。日本でも一個人がその身勝手な行動によって怒りを買い、ネット上で個人情報・顔写真を晒されるという事件は何件か起きている。しかし、大手マスコミでは報じされなかったため、ネット上のニュースに関心の無い人には一切知られていない。JOYとか、エアロバキバキとか。韓国では民度の低いメディアしかないので、犬糞女事件はニュースサイトでも報じられた。匿名の個人にのみによって、では無く、匿名個人とマスコミによって犬糞女の中傷がなされた。それによって匿名個人にだけ制裁を加えるのはおかしな話だ。ようは韓国なんて参考にするなということだ。昔から日本は欧米を参考にしてきた。小学生の頃から大学生になるまで「欧米では〜なんちゃら」なんて書かれた文章を国語の時間に散々読まされてきた。何でもかんでも何かをする際、まず前例を探すというのは当たり前のことになっている。前例があってそれがうまい具合に運んでるのならそれを真似すればいい、何も新しいことして失敗しないか心配するよりましだ、という考え方が当然のものとされている。それを悪いものだとはいわないが、韓国だけはやめてくれ。
追記 日経うんちゃらに似たような記事があったのでトラバ発射
再追記 またちょっとだけ書いた。 http://d.hatena.ne.jp/sorawotobu/20061211
