ケストナーにはまって全集とかいっぱい読んだ

20代も後半になって飛ぶ教室を読んで感動してしまい、ケストナー少年文学全集を古本屋さんで全部買って一気読みしてみた。ケストナーの全集が少年文学全集なんて名付けられて、いかにも児童文学みたいな体裁で売られているので大人は手を出しにくいが是非とも買ってみたらいい。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/11/4/115051=.html
岩波少年文庫でも主要な作品は出ているのでそちらで集めるのがおすすめ。
あと創元推理文庫からも作品が三つ出てて、それは大人向けでなおかつ面白い。


エーミールと探偵たち
ケストナーは前書きから面白くてのめりこんでしまう。全部読んだ中で一番面白い前書きだった。
当然本編もワクワクする展開で楽しんでしまった。

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと三人のふたご
タイトルからして ん? と気になる「エーミールと探偵たち」の続編。
母子家庭で育ったものにはなかなか心が痛くなるような場面もある。
メインストーリーはそれほどでもないけど登場人物の前作からの成長もあって面白い。

エーミールと三人のふたご (岩波少年文庫)

エーミールと三人のふたご (岩波少年文庫)

点子ちゃんとアントン
ケストナーの作品に登場する子供は賢くてユーモアがあって
世の中がこんな子供だらけだったら世界はもうちょっと面白くなる。
この作品はハラハラしそうな割に、あまりハラハラが無かったなそういえば。

点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)

点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)

飛ぶ教室
ケストナーの全集の中で、面白さよりも感動が優っている作品。
様々な少年系文庫に収録されていて色々な版で出ている。
学校や先生が児童に読ませたい本なのだろう。
子供よりも大人が読むべき作品。

飛ぶ教室 (岩波少年文庫)

飛ぶ教室 (岩波少年文庫)


五月三十五日
岩波少年文庫には収録されていない作品。
僕にはそんなに面白くなかった。この脈絡の無さを楽しめればよかったんだけど、
きっちり計算されたおはなしの方が僕の好みのようだ。

五月三十五日 ケストナー少年文学全集(5)

五月三十五日 ケストナー少年文学全集(5)


ふたりのロッテ
二人の子どもがやっていること自体は大人から見れば結構迷惑な話なのだけれども、
運命的な出会いや、いい終わり方をする話なので面白く読めた。
実際にこんな事件があったらどうなるのか、誰かやってみて欲しい。

ふたりのロッテ (岩波少年文庫)

ふたりのロッテ (岩波少年文庫)


わたしが子どもだったころ
これは物語ではなく、子供の頃を振り返った自伝。
ケストナーの素みたいなエピソードが詰まっている。
全集でぜひ読むべき作品。

動物会議
この本もそんなに楽しめなかった。
話の展開が普通だからだと思う。
絵本等他の版も出ているので人気はあるのかもしれない。

動物会議 (ケストナー少年文学全集 (8))

動物会議 (ケストナー少年文学全集 (8))

サーカスの小びと
残念ながらそれほど面白くなかった。
古典みたいな本には言うべきことじゃないが、設定の割に話がありきたりではじけてないからだと思う。
岩波少年文庫には収録されないのもわかるような気がした。

以上9冊は岩波書店から出ている本。続いて創元推理文庫の3冊。ちなみにこの三冊は新しい版で買っても活字が古く小さくとても読みにくい。折角面白い本なので改訂版を希望。

消え失せた密画
おっさんがなぜだか事件に巻き込まれていくお話。
かなり興奮しながら読んでしまった。
「エーミールと探偵たち」みたいな面白さがある。

消え失せた密画 (創元推理文庫 508-1)

消え失せた密画 (創元推理文庫 508-1)

雪の中の三人男
お金持ちのおっさんが調子にのってかき回す物語。
読者にはあらかじめその設定は分かっているが、
話の転がるさまが面白い。

雪の中の三人男 (創元推理文庫 508-2)

雪の中の三人男 (創元推理文庫 508-2)

一杯の珈琲から
とても幸せな気分になった。
システムの特殊事情を作品にうまく活かしていて、尚且つ話の仕掛けが1つじゃない。
細部もウィットに富み、頭のいい人じゃないとこういうの書けないだろうなと思わされま。

一杯の珈琲から (創元推理文庫 508-3)

一杯の珈琲から (創元推理文庫 508-3)